作曲や編曲をしていく中で、いま何のkeyであるかを知っておくことは基本中の基本です。しかし、keyを特定するのは、あまり譜面になじみのない方にとっては難しいことかもしれません。
5度サークルを覚えて使いこなすことによって、その曲のkeyを簡単に知ることができます。また、keyに対して5度や4度つまり、ドミナントやサブドミナントのコードがどれなのかも、いちいちルート音から数えなくても一目で知ることが出来ます。ぜひ使いこなしてみてください。
5度サークル早見表のダウンロードは下記からどうぞ。
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使い方をご紹介します。
Contents
1.5度サークルを覚える
“C→F→B♭→E♭→A♭→D♭→E♭→G♭→B→E→A→D→E→G→C”という順番に覚えます。私の覚え方をご紹介します。
覚え方
- てっぺんの”G→C→F”を覚える。
- “B→E→A→D→E→G”を覚える。(私はベアデグと覚えています)
- “G→C→F”に”F”の右から”B→E→A→D→E→G”をくっつけて、くっつけたものに”♭”をつける
- G♭から”B→E→A→D→E→G”を更にくっつける
- 完成
2.調号からkeyを見つける
ト音記号の横にある調号の数からkeyを見つけることができます。編曲のときなどに使えます。
“♯”が3つの場合
“#”の場合は、5度サークルの左半分を見ます。そして、”♯”が3つなので、5度サークルの”X3″が、keyとなります。つまりkeyは”A”となります。
“♭”が2つの場合
“♭”の場合は、5度サークルの右半分を見ます。そして、”♭”が2つなので、5度サークルの”X2″が、keyとなります。つまりkeyは”B♭”となります。
3.keyから調号の数を見つける
keyが分かっていて、調号の数と何の音に”♯”や”♭”がつくのかを知ることができます。作曲のときなどに使えます。
keyが”B♭”の場合
5度サークルで、”B♭”は右半分なので、”♭”がつくことがわかります。更に、”X2″とあるので”♭が2つ”つきます。”♭”がどこに付くのかは、5度サークルの“B”から”♭”の数だけ時計回りに進みます。今回は”2つ”なので2つ時計回りに進むと、”B”と”E”に”♭”が付くということがわかります。
keyが”A”の場合
5度サークルで、”A”は左半分なので、”♯”がつくことがわかります。更に、”X3″とあるので”♯が3つ”つきます。”♯”がどこに付くのかは、5度サークルの“F”から”♯”の数だけ反時計回りに進みます。今回は3つなので3つ反時計回りへ進むと、”F”と”C”と”G”に”♯”が付くということがわかります。
4.平行調を見つける
メジャースケールの中に、違うkeyのマイナースケールが存在します。その違うkeyのことを平行調といいます。メジャースケールのkeyから、5度サークルで”3つ戻ったkey“が平行調です。
5.4度と5度を見つける
度数を数えなくても、4度(SD)と5度(D)のコードを知ることができます。5度サークルのそのkeyからみて、反時計回りが”5度”。時計回りが”4度”です。
6.トライトーンを見つける
トライトーンとは、と言われると説明が非常にしにくいです。超大雑把に言うと、例えばkey=Cの場合に、コードの”C”に帰りたくなるような”G7″の音の構成の、3度から♭7度の間の音程♯4度のことをいいます。詳しくは下記サイトで詳しく書かれています。
専門的な内容なので興味のある方だけご覧下さい。
トライトーン(tri tone)とは音楽用語で3全音、あるいは3全音音程のことをいいます。
たとえば、C(ド、以下同)の音の全音(1音)上の音がD(レ、以下同)その全音上がE(ミ、以下同)、そしてEとF(ファ、以下同)の間が半音しかないためEの全音上はF#となり、つまりCから全音3つ分上の音F#までの音程(音と音の間隔)が3全音=トライトーンとなるわけです。
トライトーンは5度サークルで、そのkeyの対角線です。
7.まとめ
楽典を学びはじめて難しいと思ってしまうところがたくさんあるかと思いますが、5度サークルを使ってkeyなどを特定するのもひとつの手です。
そもそも、これを作成したのは自分のためです。覚えるまではよく何回も5度サークルを見ました。
音楽理論を勉強していろいろなことを覚えておくことは必要だと思いますが、もし忘れた時のカンニングペーパー代わりになれば幸いです。